そう考えると、けんちゃんて不思議な弟だ。
とてもいい子。意地悪じゃなくて。優しい子。やっちゃんもいい奴だけど、ちょっと質が違う。
やっちゃんもだけど、けんちゃんもその本質がメキメキ出てきて、いい男だなぁ、とつくづく思うようになったのは、ふたりに子供が産まれてから。
それまでよくわからなかった。
けんちゃんはとにかく、犬と仲がいい。犬の気持ちがわかる。なんか天才的だ。わたしには全くわからない何かがわかるみたい。実家にいたムックとチョコのけんちゃんに対する感じを見ると明らかに、わたしとはなんか違う。ペロペロと、情熱の感じが。
けんちゃんには4人の男の子がいる。彼らはトオト
(けんちゃん)が大好きだ。カズくんもモカちゃん(やっちゃんとこの)もだ。なんか違う。けんちゃんは子供や犬にモテる。ものすごく。
何が不思議って、けんちゃんはけんちゃんオンリーだとなんか不完全な、というか心もとないというか、影がうすい、はっきりしない感じがあった。
でも、チワワのリンや、ムックにチョコ、4匹のちびっ子たちやら、おいっこやらが、少しづつわらわらと増えてくると、けんちゃんが凄く強く、はっきりどっしりと、そこに居るようになってきた、気がする。全然違う、印象が。
こういうことってあるんだなぁ。
こういう人っているんだなぁ。
こんなに人って変わるのか。おもしろいな。
大人になって、こんな面白いものを見せてもらえるなんて、あのふたりと兄弟で良かったな、面白いな、あいつら。とたまに思い出します。